植物には様々な癒しの要素があります。
それにはいったいどんなものがあるのか?!
今まで勉強したことを体験と主観も交えて書いてみたいと思います。
香りは揮発性の芳香成分で空気中を漂っています。
空気と一緒に吸い込まれた香りの成分は鼻の中に入り副鼻腔とその上にある嗅覚上皮の粘液に付着して溶け、吸毛に捉えられます。 この吸毛にはにおいを感じるセンサーがあり、それが刺激されると嗅覚細胞の内部で反応が起こり、香りの情報は電気信号に変えられ、嗅覚神経を経て脳へ伝えられます。
脳へ入った香りの情報は大脳辺縁系という古い皮質に達し、そこから視床下部、すぐ下にある下垂体へと伝達されます。それと同時に大脳皮質の嗅覚野にも到達しここで香りを知覚し何の香りかを判断します。
大脳を「新しい皮質」と「古い皮質」で区別した場合、人間の脳の90%以上は「新しい皮質」が占めていると言われています。人間のような高等動物になるにしたがって新しい皮質が発達し、
下等動物は古い皮質が発達しています。新しい皮質は大脳新皮質と呼ばれ、考えたり記憶をするなどの知的活動をつかさどっています。
一方古い皮質は大脳辺縁系と呼ばれ、人間の場合新しい皮質が発達することにより脳の片隅に追いやられてしまっています。 大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能に基づく行動、喜怒哀楽などの情緒行動を支配していて、自律機能にも大切な役割を果たしています。
視覚や聴覚などが視床や大脳皮質を経て大脳辺縁系に到達するのに対し、嗅覚は嗅神経からダイレクトに大脳辺縁系に到達します。嗅覚が人間の五感の中でもっとも原始的であり、本能的な感覚と言われるのはこのような理由があります。
香りはダイレクトに感情や本能を支配する脳に作用するため、「わけもなくイライラする」といったような理性ではコントロールできない感情を持て余しているとき心地よい香りをかぐことによってリラックスできたり、イライラが緩和されることがあります。
色彩には人の感情を動かす力があります。
仕事のプレゼンを成功させるために赤い服で自分を奮い立たせたり、心が静まる青をベッドルームの色として選んだり、目的をもって色を使うケースもあると思います。
しかし花の癒しというテーマで語るとき、色の効用は目的のために選ぶというよりも、 ”深層意識から自然と湧き上がってくる欲求”と考えた方がしっくりくるように感じています。
以前花を教えていた時に、レッスンの度に惹かれる花の色が違うことを不思議に思っていました。ある時は青がとても気になったのに、次の月のレッスンでは青には全く興味が湧かず、赤い色にばかり目を奪われたりするのです。
それはただ単に飽きてしまったとか、レッスンに変化をつけようと意図的に色味を変えるということ以前に、自分の中で必要な色をその時に選び消費しているという感覚に近いものでした。
東日本大震災直後、私自身が強く黄色とオレンジ色を欲していること気づきました。
同じ時期にやはり黄色やオレンジが気になるという人達をネット上でも見かけ、これにはきっと意味があると思い、カラーセラピーの本で黄色とオレンジ色について調べたことがあります。
カラーセラピーの本によればその時々で選ぶ色は心の中や潜在意識を現わすのだそうです。
また、意識してある色を見ることによって思考や行動、生理や感情、そして無意識にまで作用してこうなりたいと思う自分に変化をもたらすパワーがあるということも書いてありました。(これははじめに書いた目的をもって色を使うケースのことですね。)
まずは黄色。
”元気”、”希望”という意味があります。
また”光が闇に差し込んでそこに何があるかを明らかにする”という意味もあるそうです。
311の後、いろんな場所でたくさんの人たちがそれぞれの経験を通して、様々な気づきを得たと思います。
その気づきを心に携えてシュンとなるのではなく、希望を持ち未来に向けて元気になっていきたい。
黄色を欲する気持ちの裏には、そんな心があったのではと思います。
そしてオレンジ色。
”外交性”のほかに、”欲”という意味も持ちます。
“欲”は普段あまりいい意味として捉えられませんが、ほどよい欲があればこそ、人生はより豊かに楽しくなるのです。
震災直後、自分より大変な状況にある人たちのことを思いやり、私の状況なんか大したことはないからと感情を押し殺している人たちがとても多かったです。そういう気持ちに支配されている人達が、もっと意欲を持って生きていきたいという心の現れがオレンジ色を欲していたのではないかと思います。
この経験があってから、花を直接触らなくても色によって心をほぐすことができるという思いを強くし、ブログkito*kaの活動にも意味があるのではないかと感じています。
茎がしっかりしていて、葉も厚く、大きな花をつける植物と、線が細く風が吹くとゆらりとたなびく植物。
見た目の違いで印象もだいぶ違うと思います。
シェイプセラピーというものは今まで聞いたことがありませんが、優しげな雰囲気の植物を見て気持ちも穏やかに優しくなることはあると思います。
もし、形と心の関連について、知っている方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたいと思います。
サトルとは英語でsubtle、”微妙な”とか”微細な”また”捉えがたい”という意味があります。
Subtle Energy = 微細なエネルギー。
分かりやすく、しかしざっくりと言ってしまうとそれは”気”ということになるかと思います。
気の意味を調べてみると、「目には見えないが何らかの働きのあるもの」と出ています。
フラワーエッセンスのボトル
中国の思想でいう”気”とは「気のせい」というような漠然としたフィーリングのことではなく、具体的な作用を持ち、生命エネルギーとも喩えられるものとして共通の感覚を持って語られてきたようです。
その正体は赤外線であるとか、微弱な生体磁気であるとかいろいろ説があるようですが、まだ解明されてはいません。
植物のサトルエネルギーを利用したもののひとつにフラワーエッセンスがあります。
フラワーエッセンスとは採取した植物を数時間水に浮かべて漉したもので、そこに保存目的のブランデーを加えたものです。植物の種類によって異なる周波数のエネルギーを持っていて、人間の持っている否定的な感情を取り除いてくれると言われています。
それぞれのフラワーレメディの持つ波動は人間の物理的な身体ではなく、オーラに働きかけ魂の意思と繋がるように助けてくれるとも言われています。
その種類は、イギリスの野生の花から作られたバッチフラワーエッセンス、オーストラリアの野生の花から作られたワイルドフラワーエッセンスをはじめ世界中で1万種類を超えるそうです。
パトリシア・デービスという人が書いた「聖なる香り サトル・アロマセラピー」という本によると、植物の香りを抽出したエッセンシャルオイルを濃度3パーセントに薄めて使った場合、血流に入って体に直接作用するが、0.5%や1パーセントにした場合、物質肉体に作用せず目に見えないエネルギー体であるオーラに作用すると書かれています。
数年前ですが、こんな出来事がありました。
ちょうど父が癌の末期で余命1か月を宣告された時のことです。
母と私と1日交替で病院に看病に行っていました。それほど頑強な身体を持っているわけでもなく、心理的な強さを持っているわけでもない私は、体力的にも精神的にもギリギリのところで日々を送っていました。
父の病状は刻々と変わり、その時々で様々な決断を要します。それはとてもつらい決断であることが多かったです。
そんな状況にありながらも、心理的に強くない私がなぜか笑顔で日々を送れることが自分自身ちょっと信じられないような気持ちもありました。
その頃、病院に行くときには必ず裏庭に出て植物に触れるようにしていました。
そして帰ってくると、天然のエッセンシャルオイルを配合した石鹸で体を洗っていました。
その石鹸を使っていると、不思議なほど心がほぐれてきます。いろんな出来事からくる心の痛みが石鹸の香りで昇華していくような感覚でした。その石鹸はいくつかのオイルがブレンドされていましたが、その中のパチューリというオイルのことがずっと気になっていました。
父が亡くなってしばらくしてから、”スピリットとアロマセラピー”(ガブリエル・モージェイ著)という本で何気なくパチューリについて調べてみるとそこには、”心理面に及ぼすパチューリ油の働きは「意」を調和させ、考えすぎや心配しすぎる気持ちをグラウンディングさせ、安定させます” とありました。
普段は心配性なのに、通院中それがなかったのはパチューリの効果だったんだとこの時思いました。
10年以上前、子育て中のストレスが花屋の植物の気によって昇華されるような感覚を体験したこと。
息子が中学入学の心理的な不安定からフラワーエッセンスを使いはじめ、半年もたったある日突然効果を表したこと。
それらがすべて繋がり、植物の力は穏やかだけれどすごいなぁと改めて思いました。
このように植物には目に見えない不思議な働きがあるようです。
自然の中に身を置いてリフレッシュすることはよくありますが、その裏には、サトル・エネルギーの存在があるのかもしれません。 また、身近にある植物には心に作用するそれぞれ決まった役割があり、そうとは知らずに心が癒されているのかもしれないと思っています。